車両感覚の身につけ方
自動車を運転する上で必要となる車両感覚を具体的に挙げると
- 車幅感覚
- 車両の前後の感覚
- タイヤの位置の感覚
- 内輪差
- 外輪差
等があります。
ここでは主に、窓から見た白線の見え方を確認することによって車両感覚を身につけます。はじめは窓枠に目印をつけることもよいのですが、見え方は姿勢や座席の位置によって変わってしまいます。参考程度にしておきましょう。
①車両感覚の身につけ方 車幅感覚
走りやすい直線道路で周囲に自動車(特に対向車)が走っていないことを確かめてから行ってください。
車両の左側の感覚を身につける方法
左ミラーを見ながら車体と左の白線が隣り合うまで、車を左の白線に寄せます。そして前を見て、運転席から前の窓の下枠と左側の白線との交じわる点の位置を確認します。
車両の右側の感覚を身につける方法
開けた見通しの良い道路で行ってください。対向車が来ていないことを確認します。今度は右ミラーをみながら車体と右の白線が隣り合うまで、車を右の白線に寄せます。そして前を見て、運転席から窓の下枠と右側の白線との交じわる点の位置をがどのように見えるか確認します。
これらを繰り返していくことで車幅感覚が身につきます。これは普段乗らない自動車に乗るときも有効です。
②車両感覚の身につけ方 車両の前後の感覚
車両の前の感覚の身につける方法
普通に車両の後から車庫入れをするのですが、ゆっくりとバックしていきます。真上から見て、車両の先端部分(バンパー)がちょうど前の白線の手前端にきたと思ったら停止します。自動車から降りて車両の先端部分(バンパー)が綺麗に白線の手前端に接するように止まっていたらオッケイです。白線にちょうど接するように止まっていなければできるまでやり直します。妥協してはいけません。真上から見て、綺麗に白線の内側と接する状態で停止できたら、再び自動車へ乗り込み、左右の窓から車両の前の白線の延長線の見え方を確認します。
車両の後の感覚の身につける方法
車体の後を壁に向けてまっすぐな状態にします。バックしていきます。体を左へとひねり後方を後のガラスから直接目視しながら、片手でハンドルを持ち、ゆっくりとバックしていき、壁からの距離が1メートルくらいだと思ったら停止して、降りて実際の距離を確認します。運転席から見える1メートルと降りてから見る実際の距離とのギャップがなくなるまで繰り返しましょう。1メートルでできるようになったら80センチメートル、60センチメートルと壁との距離を縮めていきましょう。最終的には20~30センチメートル程車体を壁に近づけることができればよいでしょう。
③車両感覚の身につけ方 タイヤの位置の感覚
前輪のタイヤの位置の感覚を身につける方法
まず自動車の前後方向と垂直方向の白線の上に両方の前輪を乗せます。このとき、自動車から降りて両タイヤの中心を白線が綺麗に通るようにしてください。
次に運転席から、左右の白線の延長線と窓枠とが交わる位置を確認します。
後輪のタイヤの位置の感覚を身につける方法
続いて、自動車の前後方向と垂直方向の白線の上に両方の後輪を乗せます。前輪のときと同様に自動車から降りて両タイヤの中心を白線が通るようにします。
運転席から、左右を振り返って、左右の白線の延長線と後部の窓枠とが交差が交わる位置を確認します。
④車両感覚の身につけ方 内輪差
運転に慣れてくると内輪差でぶつけることはあまりなくなりますが、やはり免許取立ての方や、やや高齢の方には多いです。
内輪差は後輪が前輪を追うために起こる現象です。走行しながらハンドルを大きくきると自動車は曲がっていくわけですが、このとき後輪は前輪を追っていきます。なにが問題なのでしょうか。少し大げさに考えていきます。前輪が駆動する自動車を思い浮かべてください。ハンドルを右に切っていきます。すると前輪が右側へと傾いていきます。そのままたくさんハンドルを切っていきます。前輪がさらに右側へと傾き、ついには車体と直角方向を向いてしまいました(実際にはならないのですが(笑))。この状態でアクセルを踏んで前輪を回転させます。すると前輪が直角方向を向いているため、前輪は右側へと横にスライドしていきます。このとき後輪は横へとスライドしていく前輪を追います。前輪は横へとスライドし、後輪は前輪を追う、すなわち後輪は前輪と異なった場所(このときは後輪から見て斜め右方向へ)を転がっていきます。後輪が進行していく方向に障害物があるとき前輪と後輪とを結ぶライン、すなわち車体が障害物に接触することになります。
ハンドルを大きくきればきるほど内輪差が大きく出ます。ハンドルを大きくきるときは曲がる側の障害物と車体との距離をあけ、障害物へと近づいていく車体が接触しないように、曲がる側のサイドミラーを見て確認しながら曲がっていきます。