右左折するときの注意点

左折するときの注意点

バイクの巻き込み事故

自動車が左折するときに起きる事故で多いのが後方から来るバイクの巻き込み事故です。この巻き込み事故はどのようなときに起こるのでしょうか。巻き込み事故の原因として主に２通りが考えられます。一つは、左折をするドライバーが後方の十分な確認をしていないためにすぐ側を走るバイクの存在に気づかず巻き込む場合です。この巻き込み事故を起こさないためには、左折するときにルームミラー、サイドミラー、後方目視という、いわゆる３点確認をかかさず行うことが重要です。バイクは死角に入りやすいため、確認はミラーだけでなく、直接の後方目視もしっかり行いましょう。また、左折するときだけではなく、左折する地点が近づいてきたら前もってミラーにより周囲の状況を把握し、バイクの存在を確かめておきましょう。
二つめは後方を走るバイクを確認し、左ウインカーを出し、左折の意思を出しているにもかかわらず、自動車を左側から追い越していこうとするバイクを巻き込む場合です。この巻き込み事故を起こさないためには、左折するときに後方のバイクの存在を確認したら、車体を左に寄せてバイクが車体の側方に入れないようにするか、バイクの速度が速いときなど、場合によっては車体をまっすぐにしたまま減速、または停止して、先にバイクを行かせましょう。原動機付自転車などのバイクに乗るひとの中には普通免許を持っていないために、自動車のドライバーからどのように見えているかを意識できないひとが多いです。このことを踏まえ、近くにバイクが走っているときや後方からスピードを出してくるバイクには十分に気をつけましょう。

横断歩道を渡る自転車

歩道を走る自転車はスピードがそれなりに出ていることもあり、歩行者の確認と違って広範囲を見ておく必要があります。左折する少し手前から横断歩道の両側の自転車の存在を確認しておきましょう。

左折というのは簡単なようで意外と確認するべきことが多いですね。

右折するときの注意点

直進車から見た右折車

直進する車から見ると、右折する車は直進車の進行方向に対しては０キロメートルであるため停止しているのと同じです。このため、直進車が減速する間もなく右折車と衝突事故が起きた場合、直進車と右折車の両者はともにその被害は甚大なものになります。

右折するときは

右折をするとき、対向車が途切れるのを待つわけですが、このとき、対向車の車間をいっきに横切って右折してはいけません。対向車から見ると、この右折車は突然目の前に停止した車が現れるも同然であり、事故の危機感を与えてしまいます。ここで、運転鉄則①『自分の車の動きを周囲に見せる運転』です。対向車に対し、右折する自分の車の動きを認識させられるほどの必要十分な距離を確認してからあわてることなく右折をします。

信号の変わり目では

交差点内で右折待ちのときに、右折信号機が黄や赤になったからといって対向車が止まるだろうと考え、あわてて右折してはいけません。信号機が黄や赤になっても信号の変わり目では停止しないドライバーは少なくありません。対向車の減速を確認した上で右折するべきです。このとき、たとえ左右の信号機が青になったとしてもあわてる必要はなく、周囲に自分の動きを認識させながら右折すればよいのです。

右折時の横断歩道の確認

右折待ちをするときに、対向車が途切れるのにばかり気をとられて、右折先の横断歩道になかなか目を向けず、右折しながら横断歩道を確認するといったドライバーがいます。このような行き当たりばったりの右折の方法では、歩行者や自転車が横断していた場合、交差点内で立ち往生してしまいます。右折待ちのときは対向車だけでなく右折先の横断歩道も十分に確認しましょう。

右折時のタイヤの向き

右折待ちのとき、右折していく方向へハンドルを切って待っていませんか？ハンドルを右に切った状態で待機していると当然タイヤも右方向を向いています。この状態で後から追突されると直進車へと向かって突っ込んでいってしまいます。右折待ちのときはハンドルをまっすぐにして待ちましょう。

サンキュー事故

サンキュー事故とは

サンキュー事故という言葉を効いたことがありますか？サンキュー事故とは、道を譲ってもらったドライバーが待たせている相手に悪いと思ってあわてたために確認を怠り起こる事故をいいます。右折の場面では、このサンキュー事故がとても起こりやすい状況になります。

交差点で右折待ちをしているときに対向車がライトでパッシングをしながら減速して道を譲ってくれるときがあります。このとき、よく確認をせずに右折をして、対向車の脇から現れたバイクと衝突してしまう、ということがあります。このようなサンキュー事故は、もちろん左側を追い越すバイクにも問題があるのですが、やはり確認をおこたった右折車に大きな責任があるといえるでしょう。サンキュー事故を起こさないためには、対向車に道を譲ってもらった場合に、徐行しながら、できれば一端停止をして、バイクが来ないことを確認した上で曲がりきる必要があります。また、ワゴン車などでは確認が容易なのですが、運転席と車両の先端とが距離のあるセダンやステーションワゴンなどは自分が対向車の横を確認する前に、いったん最徐行、できれば停止をして自分の自動車の先端を出し、対向車の脇を走ってくるバイクに右折車の存在を気づかせる必要があります。

自分が道を譲る場合

自分が道を譲るときは、このサンキュー事故のことを考えなくてはなりません。サンキュー事故が起こる場面を作らないために、道を譲るときにはサイドミラーを見てバイクの存在がないことを確認すること、そして、もしバイクが来ているのが見えたら車体を脇に寄せ、バイクが前に行くのをさえぎるか、場合によっては道を譲らずに自分が先に直進することも考えましょう。

バイクに乗っているひと

バイクに乗っているひとがサンキュー事故に会わないために、バイクに乗るひとはまず、左側から自動車を追い越すことが危険であると認識するべきです。そして、前を走る自動車が減速したら危険予知能力を働かせ、自分も減速して前方の状況をよく確認しましょう。