交通事故統計にみる交通事故の実態

全国の年間における交通事故発生件数と負傷者数

全国で交通事故はどれくらいの頻度で発生しているでしょうか。平成19年の全国交通事故発生件数は832,454件、負傷者数は1,034,445人(http://www.pref.iwate.jp/~hp0802 /oshirase/kou-kikaku/jiko/h19jiko/01/zenkoku.htm)となっています。単純計算ですが1日あたりではおよそ2,280件、さらに1時間あたりではおよそ95件発生しています。交通事故は決して珍しいものではなくあちこちで日常的に起こっていることが分かります。近年、交通事故発生件数、負傷者数は共に増加しており、ちなみに平成元年の交通事故発生件数は661,363件、負傷者数は814,832人です。(http://www.npa.go.jp/toukei/koutuu45/20080107_1.pdf )

全国の年間における交通事故死亡者数と重傷者数

近年、交通事故の発生件数と負傷者数が増加している一方、平成 19年の交通事故による死亡者数は5,744人となっており、ここ10年を見ても減少しています。交通事故による死亡者数の減少は交通社会について語られるときによく取り上げられているデータですが、交通事故死亡者数の定義は事故発生後24時間以内死亡が確認された場合のみで24時間を過ぎた死亡者数は含まれていません。例えば2003年の交通事故死亡者数は統計上7,772人ですが、この年の事故発生後1年以内の死亡者数は1万人を超えています。また、医療技術の向上が24時間以内の死亡者数の減少に影響しているといわれています。平成19年の交通事故による死亡者数5,744人に対して、重傷者数は61,010人います。(http://www.itarda.or.jp/data/kihon.html)

交通事故による経済的損失

2006年4月から2007年3月の1年間で保険会社により自賠責保険・自動車保険が支払われた被害者数からの推計では交通事故による被害者はおよそ130万人、経済的損失額は3兆2225億円にも上り、そのうち人身損失額は1兆5112億円となっています。(日本損害保険業界「自動車保険データにみる交通事故の実態(2006年4月~2007年3月)」)この数字から、被害者1人あたりの損失額は100万円を超えていることが分かります。人身損失額の意味することを考えると恐ろしさを感じる数字です。

これを読んでいるあなたへ

統計というと多数によるデータであるために自分と直接には無関係であると思いがちです。しかしながら、あなたがひとたび自動車で路上に出ると多くの人や車両とかかわり合って走ることになります。あなたの運転は交通社会に影響を与えます。あなたの安全に対する意識と行動は他の人にも伝わります。そして、それは他の人の意識と行動を変えうるのです。例を挙げましょう。最近、夜間の信号待ち停車中に対向車に眩しくないようヘッドライトを消す(正確には車幅灯に切り替える)ドライバーが以前よりも多くなってきました。より良い習慣はまねをしたいと考えている人は少なくないのです。

人間は今の状況や行動、考えが当たり前であると信じたがる傾向があります。まずはあなたから自分の運転を省みてみませんか?そして周囲に良い影響を与えていくようなドライバーであってください。